2026/06/04
近年、マイクロ波を用いたWPT技術は、次世代の電力供給インフラとして国内外で注目を集めています。デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展やIoT機器の普及により、多数の小型電子機器へ持続的に電力を供給する需要が高まっています。特に、工場、社会インフラ、物流、農業、医療などの分野では、配線や電池交換が困難な場所への電力供給が大きな課題となっています。法制度面では、国内のみならず海外においても、マイクロ波方式WPTを想定した周波数利用の整備、規制緩和が進められており、実証実験から社会実装への移行を後押しする動きが加速しています。
マイクロ波方式WPTの実用化に向けた最大の課題は、受信したマイクロ波を直流電力へ変換する際の変換効率です。特にIoT用途では、低電力環境においても高い変換効率が求められます。
NT9000/NT9001/NT9002/NT9003シリーズは、当社独自のGaAsウェハプロセス技術により、低順方向電圧と高DC耐圧を両立したマイクロ波方式WPT向けダイオードです。広いダイナミックレンジでの動作や高効率な整流回路の実現が可能となり、配線や電池交換が困難な環境に設置されるファクトリーオートメーション分野やビルマネジメント用途のIoT機器など、WPTを活用する受電機器において安定した電力供給を支えるソリューションを提供できます。
また、NT9000/NT9001は1Wクラス、NT9002/NT9003は1mWクラスの整流回路に最適な製品であり、用途や電力条件の異なるさまざまなユースケースに対応可能です。当シリーズは、WPTによる電力供給を現場で安定的に実現する前提技術として、配線・電池交換に依存しない持続的な運用を可能にし、さまざまな分野における社会課題の解決を支えます。
主な特長は以下の通りです:
- 周波数帯域:920 MHz 帯、2.4 GHz 帯、5.7 GHz 帯
- 高逆方向電圧※1:20 V
- 低順方向電圧:0.1 V typ.
- 低逆方向リーク電流:10 μA/20 μA typ.(NT9000/NT9001)
0.5 μA/1 μA typ.(NT9002/NT9003) - 低等価直列抵抗:4 Ω/2 Ω typ.(NT9000/NT9001)
110 Ω/55 Ω typ.(NT9002/NT9003) - 低等価容量:0.2 pF/0.4 pF typ.(NT9000/NT9001)
0.025 pF/0.03 pF typ.(NT9002/NT9003)
※1: 絶対最大定格

アプリケーション例
- マイクロ波方式WPT整流回路
- ディテクタ